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目次

ウェブアクセシビリティ対応は、法令遵守や社会的責任としてだけでなく、企業の成長に直結する「投資」として大きな注目を集めています。
誰もが使いやすいサイトは、結果的に顧客体験(CX)を最大化し、新たなビジネスチャンスを生み出すのです。
この記事では、国内外における成功事例をウェブアクセシビリティ対応の目的別に解説します。
成功企業に共通するポイントをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ウェブアクセシビリティ対応は「顧客体験(CX)」を最大化する
ウェブアクセシビリティ対応は、法律やガイドラインを守るための義務と捉えられがちですが、本質的には「顧客体験(CX)の質を高めるための戦略」であるといえます。
ウェブサイトを改善することで、障がいのある方や高齢者だけでなく、すべてのユーザーの使いやすさ(ユーザビリティ)を飛躍的に向上させられるのです。
例えば、文字のコントラストを上げることで、外出先の強い日差しの中でも情報をスムーズに認識できる助けになります。
ユーザーがストレスなく目的を達成できる環境が整えば、サイトへの満足度は高まり、企業への信頼やロイヤルティが自然と深まるでしょう。
また、高齢化が進む社会で、これまで情報にアクセスできず取りこぼしていた潜在顧客層を開拓するチャンスにもつながります。
アクセシビリティ対応は、法的なリスク回避はもちろん、企業の収益とブランド価値を押し上げる、将来性のある投資と捉えられるでしょう。
【目的別】アクセシビリティ導入による具体的な効果と成功事例
ウェブアクセシビリティ対応の重要性が分かっていても、「自社が取り組むことで具体的にどのようなメリットが得られるのか」というイメージが湧かないと、なかなか行動に移せないでしょう。
ここでは、企業や行政機関がどのような目的でアクセシビリティに取り組み、その結果としてどのような具体的な効果を得たのかを、目的別にご紹介します。
①「ブランド信頼性」と「コンプライアンス」の向上
ウェブアクセシビリティへの対応は、企業や公的機関にとって、信頼と安心感を築く上で重要です。
特に、2024年4月の法改正で「合理的配慮の提供」が義務化されて以降、すべての人に公平に情報を提供することは、法令を守る上で当然求められます。
銀行や公的機関の事例を見てみましょう。
| 企業名/自治体名 | 主な取り組みと成功ポイント |
| 三井住友銀行 | JIS X 8341-3:2016準拠、音声読み上げ、キーボード操作対応、定期的なテストとサイト改善を実施 |
| 北洋銀行 | フッターにウェブアクセシビリティ方針のリンクを設置し、試験結果を公開することで透明性を確保 |
| 日本財団 | 助成申請や寄付受付など公共性の高いサービスで対応し、Webグランプリ浅川賞グランプリを獲得 |
| 兵庫県神戸市 | 独自のガイドラインを作成・職員に周知し、組織的な対応体制を構築 |
例えば、三井住友銀行はJIS規格に準拠し、音声読み上げやキーボード操作に対応することで、幅広いユーザーが問題なくサービスを利用できるようにしました。
北洋銀行や日本財団は、アクセシビリティの方針や試験結果を公表して透明性を示したり、公共性の高いサービスで高い基準を達成したりしています。
こうした取り組みは、「利用者優先の企業」として高く評価され、ブランドイメージを高めることにつながります。
また、兵庫県神戸市の事例に見られるように、独自のガイドラインを作成し、職員全体で取り組む体制を整えることは、信頼を保ち続けるための取り組みです。
このように、アクセシビリティ対応は社会的な責任を果たすと同時に、企業や組織の信頼性と安心感を高める効果があります。
②「顧客層拡大」と「売上・業務効率」の改善
アクセシビリティを高めることは、新しい顧客層を呼び込み、売上の向上につながります。
サイトが使いやすくなることで、これまで情報にたどり着けなかった潜在的なユーザーがサービスを利用しやすくなり、売上拡大が期待できるのです。
具体的な取り組みは、次の表にまとめました。
| 企業名/自治体名 | 主な取り組みと成功ポイント |
| LABRICO | サイト構造と導線の見直し、検索機能強化を行い、ユーザーの利便性を向上させ売上機会を創出 |
| ANA | 設計段階からの適合性確認、ガイドライン整備、動画への追加テキスト提供など、予約・購入体験の改善 |
| 東京都三鷹市 | 障がい者のユーザー調査に基づきリニューアルを実施。広報主任設置などで問い合わせ減少に貢献(業務効率化) |
| 兵庫県姫路市 | ページ削減・画像への代替テキスト・見出し設置などで情報伝達を最適化し、市民の利便性を向上 |
DIYブランドのLABRICOは、サイト構造や検索機能を改善し、ユーザーが直感的に商品を見つけられるようにしたことで利便性を向上させ、売上機会の創出に成功しました。
また、ANAのように予約や購入といった重要な手続きで対応を進めるのは、ユーザーの離脱を防ぎ、確実な購入完了へ導くためです。
行政機関の事例では、東京都三鷹市が利用者調査を基にリニューアルした結果、お客様からの問い合わせが減り、職員の業務効率化を実現しました。
これは、アクセシビリティ対応が顧客満足度を高めるだけでなく、人件費や対応の手間を減らすという具体的なコスト削減効果を生むことを示しています。
つまり、アクセシビリティの改善は顧客獲得と業務の効率化という、二つの大きなビジネスメリットを生み出すのです。
③「SEO効果」と「持続的な品質」の確保
アクセシビリティ対応のために行うサイトの構造的な改善は、検索エンジンからも評価されやすいというメリットがあります。
適切な見出し(Hタグ)や画像への代替テキストの設定は、検索エンジンが情報を正確に把握するのを助け、結果的にSEO(検索エンジン最適化)効果を生み出すのです。
各社の具体的な成功ポイントは、以下の表のとおりです。
| 企業名/自治体名 | 主な取り組みと成功ポイント |
| 弁護士ドットコム | ハンディキャップを持つ方からの観察で課題改善。ブランドカラー変更でコントラスト比を解決し、品質を優先 |
| NTT | 定期的なウェブアクセシビリティ検査を実施し、結果をポリシーページで公開することで品質維持体制を構築 |
| 宮城県 | 震災経験から、CMS導入とチェックリスト作成、職員研修を実施し、コンテンツの品質をタイムリーに維持 |
| 東京都目黒区 | CMS導入後、定期的な研修を行い、職員のアクセシビリティ意識を高めてコンテンツ編集の品質を継続 |
例えば、弁護士ドットコムは、コントラスト比の問題解決のためにブランドカラーを一部変更するなど、品質を優先し、サイト構造の最適化を進めました。
また、ウェブサイトの価値を長く保つには、継続的なチェック体制が必要です。
NTTや宮城県、東京都目黒区では、定期的な検査・CMSの導入・職員への継続的な研修を実施することで、新しいコンテンツが追加されてもアクセシビリティレベルが下がらない体制を整えています。
サイトを常に高い品質を保ち、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても信頼できる情報源としての地位を確立し続けられるのです。
アクセシビリティ対応は、サイトの構造的な品質を向上させ、長期的なSEO効果にもつながります。
成功事例に学ぶ!アクセシビリティ対応を成功させるための共通点
アクセシビリティ対応で成果を上げている組織には、共通しているポイントがあります。
ここでは、ウェブアクセシビリティをビジネスの成長につなげるための3つの共通点を見ていきましょう。
①初期段階から組み込むことが重要
アクセシビリティ対応で最も避けたいのは、ウェブサイトが完成した後や公開直前に問題点が大量に見つかるという「手戻り」です。
成功している企業は、ウェブサイトの企画・設計フェーズという早い段階からアクセシビリティの視点を組み込んでいます。
デザインやシステムの根幹が決まる前に対応基準を盛り込むことで、後からデザインを大きく変更したりソースコード全体を書き直したりする大幅な手直しや、それに伴う膨大なコストの発生を防げるのです。
例えば「この配色だとコントラスト比が足りない」「このナビゲーションはキーボード操作が難しい」といった課題を、初期のワイヤーフレームやデザインカンプの段階で解決してしまえば、開発チームの工数も削減されスムーズにプロジェクトを進行できます。
②全社的な推進体制と継続的な教育
アクセシビリティ対応を特定のウェブ担当者や開発チーム一人の努力に任せてしまうと、その人が異動したり退職したりした際に、対応レベルが急激に低下する属人化のリスクに直面します。
成功を収めている企業では、アクセシビリティを経営層がコミットする全社的な課題と捉え、組織全体で取り組む体制を構築しています。
ウェブ担当者だけでなく、コンテンツを作成する広報部門・デザインを決めるマーケティング部門・サービスを統括する経営層まで、すべての従業員に対して定期的な教育や研修を実施しているのです。
例えば、コンテンツ作成者が画像に適切な代替テキストをつける習慣を身につけたり、デザイナーがコントラスト比を意識した色使いを選んだりするようになれば、ウェブサイトの品質は継続的に保たれます。
全従業員の意識を高め、アクセシビリティを企業の文化として定着させることが、一時的な対応で終わらせず、長期的に成果を生み出すためのポイントです。
③ツール活用で効率的かつ継続的な改善が可能
アクセシビリティ対応の大きな課題の一つとして、WCAGなどのガイドラインが複雑で、専門知識を持つ人材の確保が難しいという点が挙げられます。
そこで成功事例の多くが活用しているのが、外部のアクセシビリティツールの導入です。
アクセシビリティツールを導入することで、社内に高度な専門知識を持つ人材がいなくても短期間で広範囲な対応を効果的に実現できます。
サイト全体を定期的に自動でスキャンし、問題点を検知・報告してくれるツールを活用すれば、コンテンツが更新されるたびに手動でチェックする手間が省け、継続的な運用コストを大幅に削減できるでしょう。
特に、中小規模のサイトや迅速な対応が求められる場合、ツールは時間・コスト・知識の課題を一度に解決する最も現実的で効率的な方法です。
専門知識がなくても、外部の専門家の知恵と技術を活用することで法令に遵守した対応を実現し、継続的なチェック体制を低コストで構築できます。
まとめ
ウェブアクセシビリティ対応は、法令遵守だけでなく、顧客体験(CX)の最大化とビジネスの成長に直結する「投資」です。
成功事例から見えた共通点は、「初期段階からの組み込み」「全社的な体制と教育」「ツールの効率的な活用」の3点でした。
ウェブアクセシビリティ対応を成功させるためは、特定の担当者に任せるのではなく、経営層がコミットし、品質を維持する継続的な仕組みを構築することが大切です。
専門知識やコスト面で対応に課題を感じる場合は、「Accessdove」のようなツール活用を検討し、効率的にアクセシビリティ対応を進めていきましょう。